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「バイデノミクス」とトランプ大統領のマキビシ 前編

 アメリカにおける議事堂占拠という衝撃的なニュースが冷めやらぬなか、20日に行われる大統領就任式に備えてFBIが警戒を呼び掛けるなど予断を許さない状況ではあるが、バイデン政権がまもなくスタートすることになる。

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 バイデン政権は、コロナ対策・経済対策・人種差別問題・気候変動の4つについて最優先することを明言しているが、これらのいわゆる「グローバリズムへの回帰」と「バイデノミクス」については、それぞれの背景と内容を十分に理解したうえで、今後の株価へ及ぼす影響を十分に配慮しておくべきだろう。

 まずは、「グローバリズムへの回帰」であるが、これまでグローバリズムを先導していた民主主義大国であるアメリカに、白人至上主義や自国第1主義を掲げるトランプ大統領が誕生した理由の根底には、国内の多数派であるネイティブ(白人)にとっての、有色人種へ対する差別意識だけではなく、台頭への脅威があったといえるだろう。

 積極的な移民政策をとらない日本国内では、「移民を受け入れた結果としてネイティブである我らの仕事が奪われるのだ」というロジックは理解しづらいが、イギリスのEU離脱にもこの考えは共通しており、先進国における移民の排除に関しては、国内が2つに分断されるほどの大きな問題になりつつある。

 トランプ大統領の公約や行動は、これら移民問題に対して常に敏感であり、自身の主たる支持者でもある「白人労働者階級」に忠実であったといえよう。対中強硬路線を筆頭に、メキシコ国境における壁の建設など不法移民への対策強化、パリ協定やWHOからの脱退など、自国の利益と見合わない事柄の排除が「グローバリズムからの脱退」につながった。

 そしてバイデン政権は、この「グローバリズムからの脱退」を巻き戻すことからスタートすることになる。まずは、パリ協定やWHOへの復帰が挙げられるが、これらの内容は本来「ESG投資」の促進につながるはずだ。しかし、ここにはトランプ大統領によるマキビシのような罠が仕掛けられている。

 実は昨年、トランプ大統領は駆け込み的に、ESG投資を制限するような運用規則を各所に作っているのだ。これらの規則は1度決められてしまうと修正までに時間がかかるため、バイデン政権への足かせとなるばかりでなく、トランプ大統領に近しい化石燃料業界への忖度にもなる。たしかに、ネットゼロ排出を目標とするバイデン候補の大統領当確によって、原油安が起きなかったことにも納得できる。(後編に続く)(記事:小林弘卓・記事一覧を見る


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