Economy

「太陽光」など電力参入ブーム終焉か 淘汰加速で3年連続の大幅減


 持続可能な社会の構築のため世界的に再生可能エネルギーへの投資が拡大している。日本においても2012年にFIT(固定価格買取制度)が再エネ事業の促進策として導入され、電力を中心にこの分野へ参入する企業が急増した。しかし、十分な経営計画を持たない企業も多く倒産企業も急増、14年をピークに参入企業も減少へと転じている。

 7月29日、東京商工リサーチが「2020年・電力事業者の新設法人調査」の結果レポートを公表しているが、これによれば20年中に新しく設立された法人は13万1238社で前年に比べ0.1%の減少で横ばい状態だが、このうち電力事業者は1145社で前年比20.5%の大幅な減少となっている。近年の電力事業新設の推移を見ると、16年に1786社、17年には1988社、18年には1744社、19年には1442社、そして20年1145社と大幅な減少は18年から3年連続となる。

 電力事業の新設ブームのピークは14年の3285社で、20年は14年と比べ約3分の1となっており、電力事業の新設ブームは終焉を迎えているといえる。20年5月には新型コロナの緊急事態宣言が延長され前年同月比で53.7%減と急ブレーキかかり、新型コロナの影響もブーム終焉を後押ししているようだ。

 利用エネルギー別に見ると、「太陽光」と「ソーラー」が675社で全体の約6割、58.9%を占め最も多くなっているが、前年比では21.2%の大幅な減少となっている。次いで「風力」が152社で同5.5%減少、「バイオマスエネルギー」は69社、同2.8%減少となっており、「太陽光」と「ソーラー」での減少が大きい。唯一FITで買取価格が安定している「地熱」の40社がウエイトは小さいが33.3%の増加だ。

 資本金別では、「1百万円未満」が559社で構成比48.8%と半数を占め、1千万円未満までで91.5%と小規模事業者がほとんどだ。12年のFIT制度の導入以降、設立参入が急増したが、その後の買取価格の下落や参入条件の厳格化で新設法人は減少に転じ、また安易な参入が増えたことで、太陽光関連の倒産も急増している。

 21年7月、経産省はエネルギー政策の指針となる新たな「エネルギー基本計画」の素案を公表し、30年度には再生可能エネルギーの比率を36~38%まで引き上げる目標を掲げた。「今後は精緻で長期的な見通しを持った事業者の参入を促す仕組みが求められる」とレポートは指摘している。(編集担当:久保田雄城)

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