Economy

コロナ禍の企業決算、「減収増益」の理由は コロナ禍特有の特別利益


 2020年度3月決算は出そろっているが、当該年度は新型コロナ感染症の影響で飲食、宿泊、旅客運輸など直接コロナの悪影響を受けた産業のみでなく、サプライチェーンの混乱や会議・商談等の遅延の影響で、派生的・間接的影響による全般的な不調が予想される。実際、明らかとなった数字ではほとんどの産業で収入減となっておりコロナによる経済活動の全般的停滞を表している。しかし、増益企業率は前年比で増加となっており、20年度の企業業績は全体として減収増益だ。この背景にはコロナ禍特有の要因が存在するようだ。

 7月28日に東京商工リサーチが公表した「2021年3月期決算企業、業績動向調査(速報値)」によれば、20年3月期に比べ増収企業率は大幅に低下し、大企業、中小企業そろって約7割が減収となっている。一方、増益企業率は大企業が53.9%、中小企業49.5%と約5割が増益と改善傾向を示している。

 コロナ前の19年3月期では増収企業率は大企業が61.5%、中小企業で50.8%と半数超えが増収だったが、翌年の20年3月期は第4四半期がコロナの影響下にあり、大企業47.9%、中小企業47.3%と5割を割り込んだ。通年でコロナ禍にあった21年3月期の増益企業率は大企業32.4%、中小企業34.8%まで落ち込み約7割の企業が減収となっている。

 利益合計の前年比は、19年3月期に大企業0.7%増、中小企業0.04%増とわずかに増加傾向であったものが、20年3月期は大企業が26.9%減、中小企業が31.4%減と減益に転じ、21年3月期では大企業が81.2%減と大幅に悪化しているのに対し中小企業は8.9%減と改善傾向となっている。増益企業率で見ると、大企業が9.1ポイント上昇し53.9%で2期ぶりに50%を上回り、中小企業も5.0ポイント上昇の49.5%で大企業と中小企業はともに利益合計は減益となったが増益企業率はむしろ改善している。

 「減収増益」の傾向が強まった背景には、コロナ禍特有の要因があるようだ。「コロナ関連支援の補助金や給付金、リストラによる人件費などの固定費削減、不動産などの資産売却など、様々な特別利益を計上し、減収でも一時的な増益を招いた」とレポートでは見ている。支援策もあり増益企業が増加して倒産は減少傾向にあるもののコロナの終息は見通せず、本業回復の見込みは立たないままだ。レポートでは「減収増益の状況がどう変化するか、引き続き今後の動向が注目される」とまとめている。(編集担当:久保田雄城)

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