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ソフトバンクG・孫会長の欲求不満が、晴れる日は来るか?

 ソフトバンクグループ(SBG)の孫正義社長兼会長は、かねて大きな不満を抱いている。その不満とは自社の時価総額が、保有する資産の純資産価値の半分程度に止まっていることだ。

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 過去の決算会見で孫会長は、「SBGは投資会社だから、投資家は保有資産というフィルターを通してSBGを見るべきだ」、という趣旨の表現を繰り返している。おそらく、時価総額と純資産価値が等価に近づくまで、この発言は止めないだろう。何しろ、「利益なんかは気にしない」と公言した流れの中で、上記の不満を口にしている。5兆円の利益が出ようと、1兆円の損失が出ようと関係ないのだから本気度が知れよう。

 SBGとソフトバンク・ヴィジョン・ファンド(SVF)に共通した投資姿勢は、ハイテクな新興事業を素早く見出して、競合状態にある複数の企業に同じような支援を行うことだ。将来有望と期待できる事業分野で競合している、ナンバーワンのA社とナンバーツーのB社があったとする。一般的な投資家は、A社とB社の事業内容等々を懸命に比較して、将来の覇権を握るであろうどちらかに投資する。

 これに対してSBGは、将来性が見込める事業であれば、A社とB社の双方に同等の投資をすることをタブーにしないばかりか、双方に投資することも珍しくない。

 例えば、A社とB社に1億円投資して3年が経過した時点で、A社が優勢で株式価値が5倍になり、B社が劣勢で株式価値が半減した場合、A社への投資では(1億円×5=)5億円の売却代金を手にして、4億円の利益が確定する。B社への投資では0.5億円の損失になる。一般的な投資セオリー通りに投資すると、いずれ勝つか負けるかという明白な結末に直面する。

 SBGの場合はA社とB社双方に1億円投資する。3年後にA社を5億円で売却しB社で0.5億円の損失が発生しても、3.5億円の売却益(売却しなければ含み益)が得られる。理論的には損失することがないような投資スタイルだ。※

 だからグリーンシル問題が発生しても、カテラが破綻してもSBGに動揺は生じないし、孫会長は投資先の不調を聞いて反省の言葉を口にしたとしても泰然としている。

 SBGに投資している一般の気弱な投資家が、SBGやSVFの投資先に都合の悪い報道に敏感な反応を見せるのとは対照的だ。上記のA社好調という決算報道に接すればSBGの株価が上がり、B社不調の報道があればSBGの株価が下がる。数多くの事業先に投資していれば、マイナス情報の発生確率も上がるため、SBGの株価はなかなか1万1千円を越えられない。

 SBGの株価が投資先の状況で左右されているうちは、時価総額が純資産価値に近づくことは考えにくい。逆に、純資産価値を膨らませているアリババの帰趨次第では、時価総額に純資産価値が近づく恐れだってあると考えるべきだろう。

 このため、決算会見で漏らす孫会長の欲求不満は、解消されないということになる。

 ※特定業種の構成企業に軒並み投資すると、確実に儲かると言っている訳ではない。新型コロナに限らず、想定外の事態が引き起こす結末を予想することは誰にもできない。(記事:矢牧滋夫・記事一覧を見る


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