Economy

拡大路線に入ったウェアラブルデバイス市場、国内企業の動きは


 未だ、世界中で猛威を振るい続ける新型コロナウイルス。国内の感染者は小康状態を保っているものの、海外では変異株「オミクロン株」の流行が加速しているので、油断は禁物だ。とくに日本はこれから冬を迎える。風邪やインフルエンザなどにも掛かりやすい季節。手洗い、うがい、マスクの着用はもちろんのこと、体温や心拍数など、日々の健康管理には充分に気をつけたい。そんな中、詳細な体調管理を簡単便利に行えるスマートウォッチやスマートグラスなどのウェアラブルデバイスの、ヘルスケア目的での需要が高まっている。

 株式会社グローバルインフォメーションが発表した市場調査レポートによると、2021年から2026年にかけて、世界の産業用ウェアラブルデバイス市場はCAGR(年平均成長率)で約9%成長すると予測されている。個人での健康管理はもちろんのこと、企業からも社員や従業員の健康管理ツールとして注目されているという。ウェアラブルデバイスを通して従業員の健康状態を把握し、福利厚生プログラムと連動することで医療費削減にも繋がり、更には労働の認証や現場管理など、企業のワーク管理にまで可能性が広がっているというのだ。

 現在、スマートウォッチが最大のシェアを占めてはいるものの、ウェアラブルデバイスは時計型だけとは限らない。日々、目的に合った形で進化し続けている。例えば、大手化学企業である東洋紡は、インナーシャツに心拍センサーを直付けしたサイクリングアンダーシャツ「COCOMI」を発売した。胸部に同社が開発した伸びるフィルム状導電素材COCOMIを採用しているのが特徴で、従来のバンドタイプのような締め付けやストレスがない。100回以上の洗濯に耐える耐久性も備えており、スマート衣料業界のゲームチェンジャーとの呼び声も高い。

 ウェアラブルデバイスで今後注目されるのが、スマートリングだ。国内ベンチャー企業のMTGは、2021年5月、Visaのタッチ決済対応のスマートリング「EVERING(エブリング)」を発表した。決済方法はリングをかざすだけ。アプリを立ち上げたりする複雑な動作が不要。これならばデジタルデバイスが苦手な人やお年寄りなどでも扱いやすく、スピーディかつスムーズな決済ができると好評だ。今後は決済以外の機能追加も検討しているというから楽しみだ。

 

 また、デバイスの中枢を担っている電子部品企業の活躍にも期待したい。

 ほとんどのウェアラブルデバイスがバッテリーで駆動しているのは周知のことだが、高機能化が進むと消費電力も必然的に多くなる。しかも、ウェアラブルデバイスでは一回の充電で長時間使用できることも重要だ。その一方で、デザイン面においては小型・薄型化が求められる傾向が強い。

 バッテリーの大容量化と極限までの低消費電力化を実現しつつ、より小型・薄型化を目指す。この一見相反するニーズを満たすため、国内電子部品メーカーのロームは、小型・薄型 IoT機器向け、超高効率バッテリーマネジメントソリューション評価ボードの販売を開始した。同社の超低消費電流技術「Nano Energy(TM)」を搭載した電源ICを中心にさまざまな技術を結集することで生み出されたソリューションは、待機時の消費電流が極めて低く、アプリケーションの待機時間を一般的なシステムに比べて60倍以上延伸できるという。そのうえ、薄型二次電池も合わせた実装部品の厚さは0.60mm以下という驚きの薄さだ。この超高効率バッテリーマネジメントソリューションの評価ボードは国内外問わず注目を集めており、今後の市場にも大きな影響を与えるのではないだろうか。

 効率や利便性を追求する現代社会。さらには新型コロナの影響で非接触型のサービスが重視される中、ウェアラブルデバイスはこれからますます存在感を強めるだろう。拡大していく新たな市場での、国内企業の躍進に期待したい。 (編集担当:今井慎太郎)

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