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相場展望11月30日号 米失業保険期限切れで、景気後退の『危機』迫る 日本株は楽観続くが、外資系短期筋の変調に警戒

■I.米国株式市場

●1.米株式市況の推移

 1)11/24、NYダウ+454ドル高、30,046ドル
  ・バイデン新政権への政権移行が円滑に進むとの見方が強まり、ワクチン開発の進行も支えとなり、景気敏感株を中心に買われ、史上初の3万ドルを上回った。

【前回は】相場展望11月24日号 ワクチンで経済正常化期待と、感染再拡大の懸念が交錯する株式市場

 2)11/25、NYダウ▲173ドル安、29,872ドル
  ・感染拡大で経済活動の制限が広がり買い手控えの流れから、利益確定売りが優勢。前日に買われた景気敏感株に売り先行。
  ・FRBの速やかな追加緩和観測が後退し、NYダウは下げ幅を拡大。(フィスコ)
  ・FOMC議事要旨(11/4~5開催分)「国債購入の早期強化」公表後、下げ幅縮小。

 3)11/26、感謝祭の祝日のため休場

 4)11/27、NYダウ+37ドル高、29,910ドル
  ・米景気回復への楽観的な見方から買い優勢で、反発。(時事)
  ・ハイテク株が盛り返し、史上最高値を更新した。

●2.ナスダック総合指数は11/27、過去最高値を更新(フィスコ)

●3.米株価上昇の主な牽引役(バロン)

 1)ワクチン開発で感染予防効果があったと発表、次の課題は安全性と流通。

 2)新政権への交代が進展し、政治空白を生むリスクが低下。

 3)議会はネジレ議会が有力で、増税リスクが低下。

 4)バイデン勝利確定で、関税引き上げリスクが低下。

●4.新型コロナ感染再拡大するなか、失業給付期限切れの『危機』

 1)失業給付は2020年12月31日に有効期限が切れる。そのため、個人所得減少⇒個人消費の減⇒企業売上・利益の減少⇒企業従事者の所得減少と悪い輪廻が見込まれ、景気後退に直面するおそれがある。

 2)追加的な経済刺激策が『待ったなし』の早急な実施が必要となっている。だが、民主党と共和党との歩み寄りはみられず、『危機』が迫ってきた。

 3)1月下旬から、バイデン大統領と新しい議会がスタートし、追加経済刺激策の妥結を目論むが、決定まで、多くの失業者にとっては所得のない状況が続くことになる模様だ。結果として、景気回復がより遅く・弱弱しいものになる見込み。

 4)それとも、トランプ現大統領による強権的な大統領令の発効に期待するしかないのか。

 5)この状況を、楽観的な株式市場は織り込んでいない『リスク』となるので、警戒したい。

●5.金利上昇の勢いは強くない

 1)ファイザーの治験結果が出た日は米国債10年物利回りが急上昇したが、その後は低下し引き戻されている。

 2)そのため、金融株は戻りペースが鈍い。

●6.米連邦政府は11/23、バイデン氏に政権移行手続き開始を認める(朝日新聞)

 1)バイデン氏の経済チームの陣容を今週発表へ、政府からの機密情報報告も開始(ロイター)

●7.米失業保険申請件数は77.8万件と前週から3万件増え予想外の増加(フィスコ)

 1)市場予想では減少が見込まれていた。(ブルームバーグ)

 2)新型コロナ感染急拡大と新たな制限措置でレイオフの再拡大を示唆。

●8.FOMC議事要旨によると、債券購入ガイダンス「かなり早期」の強化を議論(ブルームバーグ)

●9.米個人消費は10月に増加したが、所得は感染再拡大で減少、先行き不透明(ブルームバーグ)

 1)新型コロナ感染が急拡大するなか、政府による追加支援も得られず、経済を牽引する消費者の懐事情が厳しくなっている可能性が示唆された。

●10.米年末商戦幕開けの「ブラックフライデー」は、早期セールや感染懸念で例年より客足減(ロイター)

●11.コロナワクチン10種類の利用が来夏にも可能 = 国際製薬工業団体連合会(ロイター)

 1)米ファイザーと独ビオンテック、米モデルナ、英アストラゼネカ、米J&J、米ノバックス仏サノフィ、英グラクソ・スミスクライン等

■II.中国株式市場

●1.上海総合指数の推移

 1)11/24、上海総合指数▲11安、3,402
  ・高値警戒感から利益確定売りが優勢となったが、下値は限定的。

 2)11/25、上海総合指数▲40安、3,362(フィスコ)
  ・最近の値上がりで利食い売りが出やすいことに加え、新型コロナの世界的拡大に懸念が広がった。(時事)

 3)11/26、上海総合指数+7高、3,369
  ・売り先行も、経済のプラス成長と景気対策への期待を好感。(フィスコ)

 4)11/27、上海総合指数+37高、3,408
  ・10月全国工業利益+28.2%増となり、中国人民銀行(中央銀行)の資金供給も支えとなり、上げ幅を急速に広がた。(亜州リサーチ)

●2.ファーウェイ、スマートフォンのHonor売却で、自動車関連事業に舵切るか(36Kr japan)

■III.日本株式市場

●1.日経平均の推移

 1)11/24、日経平均+638円高、26,165円
  ・英アストラゼネカのワクチンが高い有効性を示し、経済活動正常化の期待が高まる。
  ・米財務長官にイエレン前FRB議長指名との報で、米金融政策への期待強まる。

 2)11/25、日経平均+131円高、26,296円
  ・ワクチン期待で上げた米国株の流れを受け、海外投資家の買いで相場を牽引したが、東京都の時短要請報道を受け海外短期筋が売りに転じ、上げ幅が急速に縮小した。

 3)11/26、日経平均+241円高、26,537円
  ・新型コロナ感染拡大も、緊迫した状況になっておらず、ワクチン開発の実用化や、景気回復への期待で安心感が広がった。(ブルームバーグ)

 4)11/27、日経平均+107円高、26,644円
  ・朝方は感染拡大で売り先行したが、ワクチン期待で買い優勢となった。
  ・不動産・5G・EV(電気自動車)の買いが目立った。
  ・TOPIXは6日連続高。

●2.日本株の動向

 1)日経平均とNYダウの、この1週間の動き
    NYダウ  + 647ドル高(+2.2%)
    日経平均  + 1,117 円高 (+4.4%)

 2)財政支出による日本株と米国株の違い
  ・米国株の場合は、財政出動が大規模であり、個人の株式保有比率が高いため、株高が消費増となり消費拡大につながる構造になっている。
  ・日本の場合は財政出動もわずかに過ぎず、個人の株保有も米国より低いため、株高が消費拡大につながりにくい構造である。
  ・よって、財政出動による米国株は上昇余地が高いが、日本株の上昇余地は低いと考えられる。
  ・米国では株価上昇が景気と企業業績の向上として反映するが、日本では日銀がETF買いと超金融緩和を続けて株価上昇を図っているが、日本の景気回復につながらず、企業業績の改善の寄与も小さい。

 3)天井知らずの上昇をする日経平均の特徴
  ・日経平均とNYダウの差は11/17、3,266ポイントと僅少差(11/10は4,515)となり強い日本株を示現。
  ・最近の相場では、引け際の急騰が多いが、外資系短期筋の買仕掛けとみられる。
  ・先週までは、外資系短期筋の理屈抜きの強引な買いによる上昇相場と考えられる。
  ・前場に売られても、日銀のETF買いの思惑もあり、後場は下げ幅縮小となるケースが多い。
  ・企業業績の実態と株価との乖離が限界値に近づいているとみられる。
    EPS(1株当たり利益)10 /30 1,029円 ⇒ 11/27  1,079円 +4.9%増
    日経平均       10 /30 22,977円 ⇒ 11/27 26,644円+16.0%増

●3.外国人投資家vs個人投資家・年金(信託)・投資信託の売り、という構図

 1)11月第1~3週の需給推移(億円)
  ・外国人(短期筋)の買いに対し、売りで応じる個人・信託・投資信託。
            外 国 人     個 人   年金(信託) 投資信託
    第1週   +1兆0990億円買  ▲4,311億円売 ▲ 898売 ▲1,106売
    第2週   +1兆0581億円買  ▲6,883億円売 ▲1,781売 ▲2,197売
    第3週   + 5972億円買  ▲2,344億円売 ▲2,053売 ▲ 902売 
  ・外資系合計での買い越しボリュームは低下傾向にある。

2)日経平均と外国人投資家先物手口
 ・第4週の外資系短期筋動向は、日経225先物とTOPIX先物の売買を交錯しながら、買い枚数を増やさずに、日経平均を巧妙に上昇させたのが特徴。
          日経平均   外国人先物枚数の増減  
  第1週11/02~06 +1,348円高  +29,136枚買い 
  第2週11/09~13 +1,060円高  +30,307枚買い 
  第3週11/16~20 + 142円高  +18,767枚買い 
  第4週11/23~27 +1,117円高  +  239枚買い
 ・買残高枚数の増加が止まったとなれば、相場に変化の兆しを示唆か。

●4.外資系短期筋は売り越しスタンスへの転換の兆し?

 1)Cスイスなど外資系短期筋は売り越しに転換しつつあり、外国人のハシゴ外しの前兆とみられるが、まだ現段階では『転換』とは言い切れないが、注意が必要になってきた。
  ・外資系先物の動き:Cスイス売転換して3日、外資系減少に注目
     Cスイス 11/24  5,759枚買残   ⇒11/27  2,023枚買残 ▲3,736枚減
     外資系計 11/26 280,240枚買残ピーク⇒11/27 276,877枚買残 ▲3,363枚減

●5.GPIF(年金)は国内株が大幅に上昇したため、リバランスによる売りの可能性が高まる

●6.政府は11月月例経済報告で、「感染症リスクに十分注意と、先行き経済に強い警戒感」(NHK)

 1)自動車の輸出や国内販売が上向く。
 2)設備投資は昨年の水準を下回る状況が続く。
 3)新型コロナ感染が急速に拡大している状況が、日本経済に及ぼす影響に強い警戒感示す。

●7.企業動向

 1)ソフトバンクG 出資する米コンパス(不動産仲介)はIPOの引受金融機関選定。企業価値は、昨年64億ドルと評価されている。 (ブルームバーグ)
 2)日産自動車   新型SUV「エクステラ」を世界初公開。(くるまのニュース)
 3)東京ドーム   三井不動産が1,205億円で完全子会社化を発表。(ブルームバーグ)東京ドームと資本提携し読売巨人軍と一体化させる。現筆頭株主・香港のヘッジファンドのオアシスに対する友好的買収者として対抗する。オアシスの保有率は9.61%。
 4)ANA     公募増資で3,321億円調達、新型機購入や債務返済。(ブルームバーグ)2,000億円でボーイング787購入。(ロイター)新型コロナで業績低迷のため、増資で財務基盤を強化する。(時事)

■IV.注目銘柄(株式投資は自己責任でお願いします)

 ・7951 ヤマハ     売上は9月にかけて回復。中国販売も通常に近い回復。
 ・5019 出光興産    WTI原油価格上昇による利益改善期待。
 ・4187 大阪有機化   露光用レジスト収益拡大期待。


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