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脱炭素社会の実現に向け、加速する日本 間伐材とキャッサバイモが地球を救う?


 10月26日に開催された衆議院本会議で所信表明演説を行った菅義偉首相は、世界規模でESG投資への関心が拡大していることを挙げ、環境面からだけでなく、我が国の経済成長を安定させる意味でも「脱炭素」の取り組みは最重要課題の一つであると告げ、温室効果ガスの排出量を2050年までに実質ゼロとする目標を宣言した。首相自身が所信表明で宣言する意味は大きく、

 日本の温暖化対策の進展を大きく後押しするのは間違いないだろう。

 この首相の宣言には経済界も好印象を示しており、アスクル株式会社やイオン株式会社、大和ハウス工業株式会社など150社以上の大企業が名を連ねる「日本気候リーダーズ・パートナーシップ(JCLP)」も日本政府の2050年温室効果ガス排出実質ゼロ目標の表明を歓迎する声明を発表。さらにその達成に向けて、「長期エネルギー需給見通し(エネルギーミックス)の見直しに向けた提言」を公表している。

 そんな中、民間企業や団体が展開するアイデア豊富な環境対策にも関心が高まっている。

 例えば、2019年に開催された「G20 大阪サミット2019」全ての関係会場で採用された「木のストロー」がある。木のストローは、木造注文住宅メーカーのアキュラホームが、間伐材を用いて、大工の伝統的なカンナ削りの技法を応用して世界で初めて量産に成功した木製ストローだ。海洋汚染問題などの原因ともなっているプラスチック製品からの脱却に貢献するだけでなく、森林の保全や防災、地域の雇用問題まで複合的に改善に導くものとして注目され、多くのメディアでも取り上げられているので、ご存じの方も多いだろう。

 環境への配慮などもさることながら、木のぬくもりが感じられるデザインや使い心地も好評で、発表以来、ザ・キャピトルホテル東急で採用されるなど、事業への導入やコラボレーションを望む声が後を絶たないという。

 12月1日からは、2012年3月までの試用ではあるものの、JR東北・北海道新幹線、北陸新幹線のグランクラス内でアテンダントが乗車する全ての列車において、同車両に乗車する乗客が希望すれば無償で提供することを株式会社JR東日本サービスクリエーション、株式会社アキュラホーム 、株式会社JR東日本 グリーンパートナーズが3社で発表した。また、その製作 については 、 障がい者雇用を 推進している JR 東日本の特例子会社である株式会社JR東日本 グリーンパートナーズが実施する予定だという。

 廃プラスチック問題では、日本発ではないものの、インドネシア・バリに拠点を置くエコテクノロジー企業アバニ(Avani)が開発した「レジ袋」も面白い。

 レジ袋については、日本でも今年7月1日から各商店でレジ袋の有料化が実施されるなど、関心の高い問題だが、その反面、常にエコバックなどを持ち歩かなければならなくなったなど、不便を感じている人も多いのではないだろうか。

 そこで、アバニが開発した「食べられる」レジ袋だ。同社は、タピオカの原料としても知られるキャッサバイモでレジ袋を製作。元がイモなので、もしポイ捨てされても90日以内には土に還って肥料になるという。また、80度以上のお湯に入れると溶けてなくなるらしいので、処理も楽だ。極端な話、人や動物が食べてしまっても大丈夫だという。

 木のストローも食べられるレジ袋も、環境問題の改善はもちろんのこと、地域の雇用改善や経済改善を同時にかなえられる可能性を含んでいる点にも注目したい。木のストローも食べられるレジ袋も、最新のテクノロジーを駆使したものではない。今までに培ってきた技術を応用したものだ。素材も目新しいものではない。間伐材と、キャッサバイモだ。これを上手く利用すれば、今の生活様式を大きく変えなくても、アイデアと努力次第で乗り越えられる。これらの商品は、その見本のようなものではないだろうか。これらの商品が自国だけでなく、世界中に普及していけば、世界はもっと簡単に変われるかもしれない。(編集担当:今井慎太郎)

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