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諸刃の剣を振りかざすアメリカとIT巨人GAFAM+Nとの戦い (1)

 諸刃(両刃)の剣とは「非常に役に立つが、一方では大きな被害を与える危険性もあること」のたとえであるが、ついにアメリカが諸刃の剣をIT巨人であるGAFAM+N(Google、Amazon、Facebook、Apple、MicrosoftにNetflixを加えた総称とする)の喉元に突きつけようとしている。

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 アメリカのダウ平均株価が、史上最高値を今にも更新しようとしている一方で、シリコンバレー発のIT企業を中心としたナスダック市場の値動きが重いのはこのためだ。これは、コロナ禍によって後回しにされてきたGAFAM+Nへの規制を懸念した値動きと言えるだろう。

 具体的な動きとして挙げられるのが、主要7カ国(G7)の財務相会合で前進した「法人税の最低下限税率制定」と「デジタル課税の対象範囲の拡大」、そして、Amazonに対してワシントン司法長官のカール・ラシーンが提訴した「反トラスト法(独占禁止法)」違反である。

 まず、「法人税の最低下限税率制定」については、過去約30年間に渡って繰り広げられてきた国同士の法人税引き下げ合戦に終止符を打つべくために、歴史的合意に前進したものと言える。だがただ単に、法人税が低い国で登記を目論む企業を抑制するために、アメリカが提言したわけではない。アメリカの真の目的は2つだ。

 その1つが、租税を巧みにかわしてきたGAFAM+Nへの対策である。この6社について、過去10年間においての納税額を比べてみると、自ら「世界最大の納税者」と名乗るAppleについては約5兆1,000億円であるのに対し、Amazonは約3,700億円、Netflixは約600億円でしかない。これらの差は、良く言えば巧みな節税、悪く言えば法の目を掻い潜った脱税だ。

 そして、GAFAM+Nのような巨大な収益を上げる企業が、これだけの租税回避を可能とした最大の理由は、国同士の租税に関する協調性の無さであることに起因する。今回の会合で「法人税の最低下限税率」を15%とすることで、多国籍企業における1つの節税ルートを塞ぐ効果が期待される。

 もう1つの重要な意味合いは、「6兆ドル予算の男」として揶揄されるバイデン政権の巨額な財政出動との引き換えとなる収入源確保である。バイデン政権はコロナ禍の経済対策として、国民への3度目の現金給付などを決めているが、もちろん財政赤字が膨大に膨れ上がっていることは間違いない。どこかでバランスを取らねばならないのである。(2に続く)(記事:小林弘卓・記事一覧を見る


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