Economy

5分で分かるドコモTOBと大戸屋TOB 前編


 M&Aという言葉を聞いたことがある人も多いと思うが、いわゆる企業や事業の合併、買収の総称で、Mergers(合併)and Acquisitions(買収)というのが元の言葉である。そして、TOBとは、そんなM&Aの手段の1つであり、Take Over Bid(株式公開買い付け)の略称だ。

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 TOBと言えば先日、NTTドコモがNTT持ち株会社のTOBに応じることで話題となったが、これは話し合いを経た友好的TOBと言えよう。ちなみに、NTTグループはトップに持ち株会社があり、その下にNTT東日本やNTTドコモ、NTTデータ、テルウェル東日本、タウンページなどが属している構図だ。

 元々NTTドコモは、固定回線を主軸とするNTTグループにとってはいわば左遷先とも言われた亜流であり、携帯電話が普及するまではポケベルなどが主力商品でしかなかった。しかし、固定回線が頭打ちとなる中、スマートフォンの盛況と共に力をつけ、NTTグループの稼ぎ柱と言われるようにまで成長したのだ。

 しかし、その地位に胡坐をかいてしまったのか、ソフトバンクやauの突き上げ、そして格安SIMの普及、さらには政府からの携帯電話料金の値下げ圧力など、次第にNTTドコモは苦境に立たされていく。結果として今回のTOBにつながったと言えるが、生え抜きの社長であった吉澤氏は忸怩たる思いであったかもしれない。

 一方で、あからさまな敵対的TOBとして昨今話題になったのが、「牛角」などを展開する外食大手のコロワイドによる、大戸屋ホールディングスの買収だ。すでにコロワイドは創業家から株式を取得し、約20%の株式を取得することで大戸屋ホールディングスの大株主となっていたが、夜の外食産業中心のコロワイドは、昼の外食産業である大戸屋ホールディングスを取り込み、発展させようとしていた。

 コロワイドの野尻社長によれば、当初は友好的な資本提携もしくはTOBを検討していたようだが、交渉は難航。大戸屋側が話し合いに応じなかったとのことで、結果的に敵対的TOBとなった。

 もちろんコロワイドが不意打ちをしたわけでもなく、6月の大戸屋ホールディングスにおける株主総会では、12人のうち過半の7人のコロワイド側に近しい人選を取締役案として提案していた。この際は4割の賛同に留まり否決、コロワイド側の負けである。

 しかし、この4割の賛同の中には、これまでの大戸屋側の経営手法に納得ができない株主が存在しているという事実の裏付けにもなった。そして、この結果に手ごたえを感じたコロワイド側は、TOB発表直前の株価に対して46%もの上乗せ(プレミアム)を付けてTOB価格を提示したのだ。(後編に続く)(記事:小林弘卓・記事一覧を見る


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