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PM2.5削減で高二酸化炭素濃度下での地球温暖化が加速 九大が予測

 新興国や途上国では工業化に伴う大気汚染が深刻な問題となっており、世界全体で年間700万人が大気汚染が原因で死亡していると推計される。

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 大気汚染物質の中でも特にPM2.5に関してはその影響が懸念されており、排出削減に向けた取り組みが行われてきた。一方で、PM2.5の主要物質である硫酸塩エアロゾルは、地球温暖化を抑制する効果があることも知られている。九州大学の研究グループは11日、硫酸塩エアロゾルの削減がもたらす気候状態への影響をシミュレーションしたと発表した。

 研究グループは、エアロゾルによる大気汚染や気候変動を地球規模で計算できるソフトウェア「MIROC-SPRINTARS」を開発してきた。このソフトウェアは、大気中の様々な種類のエアロゾルの発生や化学反応、沈着といった一連の過程の計算を行う。また、多くの報道機関にて利用されている日々のPM2.5予測情報を提供するソフトウェアとしても知られている。

 今回の研究では、MIROC-SPRINTARSを利用して気温変化の解析を行った。人間活動由来のエアロゾルの前駆物質である二酸化硫黄の排出を増減させて、さらに2パターンの二酸化炭素濃度を仮定した。二酸化炭素の濃度はそれぞれ2000年レベルの369ppmとその2倍の738ppmの2パターンである。その際に、硫酸塩エアロゾルが太陽光の散乱を増加させて大気を冷却する効果を考慮して計算が行われた。

 その結果、二酸化炭素濃度が高い場合では、同量の二酸化硫黄排出量の低下でも気温上昇が大きくなることが明らかになった。特に北半球の中高緯度の地域では気温上昇が非常に大きくなるシミュレーション結果となっている。

 つまり、PM2.5の排出を抑制する場合は、二酸化炭素の濃度上昇を抑制しないと地球温暖化が加速度的に進行することが示された。したがって、今後は持続可能エネルギーの導入や自動車の電動化などの取り組みを行い、二酸化炭素排出を抑制することが喫緊の課題となる。

 今回の研究の成果は10日付の「Scientific Reports」誌オンライン版にて掲載されている。


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